- 家づくりにいくら必要か知りたい
- お得に家づくりしたい
マイホームを考え始めたとき、さけて通れないのがお金の問題。
自分はいくらお金があれば家を建てられるか、家が建ったあとの生活は大丈夫か、お金の心配は尽きないですよね。
わたしの経験をもとに、家づくりのお金に関して、大事な最初の一歩を解説するよ!
この記事では、次のことを解説します。
家づくりを始める前にお金について知っておけば、
お金の不安が解消でき、お得に家を建てられて、建った後の生活も安心です。
お金の勉強がんばろ~!
家づくりは何にいくらかかる?
家づくりにかかるお金は、大きく分けて次の3つ。
- 建物
- 土地
- 税金やその他諸費用
①建物
家を建てるときの費用として大きな部分を占めるのが、建物本体の工事費用。
これはイメージしやすいね!
地域ごとの平均金額は下の表のとおり!
建物の平均建設金額
地域 | 住宅面積 (坪) | 費用 (万円) |
---|---|---|
全国 | 37.6 | 3,532.5 |
首都圏 | 37.4 | 3,808.5 |
近畿圏 | 38.5 | 3,740.2 |
東海圏 | 38.2 | 3,604.3 |
その他 | 37.3 | 3,354.6 |
住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」
あくまで平均額なのでこれよりも高い人も安い人もたくさんいるよ!
工事費用は、主に次の5つによって値段が変わります。
- 建売か注文住宅か企画住宅か
- ハウスメーカー・工務店どちらで建てるか
- 広さはどれくらいか
- どんな構造か
- どんな設備をつけるか
②土地
つづいて土地の費用。
土地は、どこの地域かによって大きく値段が変わります。
令和4年の平均公示地価(国土交通省が毎年出す土地の価格)は以下の通り。
都道府県 | 1坪あたりの平均額 |
---|---|
東京都 | 373万 |
大阪府 | 103万 |
京都府 | 88万 |
神奈川県 | 86万 |
愛知県 | 70万 |
福岡県 | 63万 |
山形県 | 10万 |
青森県 | 9万 |
秋田県 | 8万 |
1位の東京都が、1坪あたり約373万円。47位の秋田県は、1坪あたり約8万円。
そんなに差があるんだね…
同じ37坪の土地でも、東京なら1億円以上、秋田なら300万円。
同じ市町村内であっても、土地の価格が違うことはよくあります。
どこに家を建てるかは、予算に大きく影響するので、注意したいポイントですね。
③その他
建物・土地以外にも、いろいろなお金がかかります。
まずは税金!
税の種類 | 相場 | 備考 |
---|---|---|
印紙税 | 約1万円 | 土地売買契約書、住宅ローン契約書、工事請負契約書など契約書に対する税金 |
登録免許税 | 約5~10万円 | 法務局にある登記簿に土地や建物の所有権を記録するための税金 |
不動産取得税 | 約5万円(軽減措置あり) | 不動産取得に対する税金 |
固定資産税 | 毎年約10~15万円 | 所有する土地や家屋に対する税金 |
その他の細かな費用はざっくりこのくらい!
項目 | 相場 |
---|---|
住宅ローン手続きの費用 | 5~80万(金融機関によってさまざま) |
司法書士への報酬 | 20~25万円 |
地鎮祭(任意) | 3~11万円 |
上棟式(任意) | 10〜30万円 |
火災保険(地震保険) | 2〜40万円(契約の仕方による) |
現在の住まいからの退去費用 | 1万円~ |
引越し費用 | 1万円~ |
買い換える家具・家電 | 1万円~ |
外構費 | 100万~ |
以上の通り、家づくりにはいろんな場面でお金がかかってきます。
計画を立てず、だいたいで予算を決めてしまうと、あとから大変な思いをするかもしれないので注意ですね。
家を建てるお金だけ気にしていたらダメなんだね!
引越し費用は工夫次第で安くできます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
みんなの家の費用はどれくらい?
全部合わせたら、どれくらいのお金が必要かな~?
全国の住宅購入費用の平均額を見ていこう!
土地+建物の総額は平均3,600万円
一戸建てを建てるために購入した土地費用の全国平均は、約1,600万円
そのうち建築費用の全国平均は、約2,000万円
土地と建物の総額は約3,600万円
全国平均の総額費用の内訳(公益財団法人全国宅地建物取引業協会が行った調査)
家を建てる場所によって、土地の値段が違うから割合も場所によって違うよね。
これはあくまで平均額。すごく高い家を建ててる人もいるし、コスパよく建ててる人もいる。自分に合った選択をしたいね。
月々の支払いは、約12万円
平均額である3600万円を、全期間金利2%として35年ローンで組んだ場合、
月々の支払いは、12万円。
もしも金利0.5%で組んだなら、月々9.3万円。
頭金なしの計算なので、頭金を何割か支払えば月々の返済額はもう少し減額になるよ!
頭金はどのくらいないとだめ?
頭金があった方がいいかどうかって気になるところだよね。
マイホーム購入の際に頭金をどのくらい支払うかの割合は、
20代は1割以下が61%
30代は1割以下が67%
出典:2021年3月の住まいや資産形成に関するアンケート調査「三井住友トラスト・資産のミライ研究所」
この結果からわかるように、6割以上の人が頭金1割以下で契約しているようです。
3,600万円のローンの1割なら、360万円!それ以下で組んでる人が半数以上いるよ!
今まで一般的な頭金の目安は2、3割とされてきましたが、低金利が続いていることもあり少額の頭金で家を購入する人が増えているようです。
わが家も頭金1割以下で借りました!
ローンを組む金融機関によっては、頭金が足りないと借り入れ金利が高くなる場合もあるので注意してくださいね。
また、頭金なしで借りても貯金がなくていいかと言ったら、それは違います。
もしものときに備えるため、生活防衛資金としての貯金を、生活費の半年~1年分は準備しておきましょう。
一月の生活費が20万円なら、120~240万円は備えとこう!
自分の場合、家にいくらかけて大丈夫?
家にいくらかけても大丈夫か、まずは月々の支払い額を見てみましょう。
ローン額 | 月々の支払い(金利2%) | 月々の支払い(金利0.5%) |
---|---|---|
1500万円 | 4.9万円 | 3.8万円 |
2000万円 | 6.6万円 | 5.1万円 |
2500万円 | 8.2万円 | 6.4万円 |
3000万円 | 9.9万円 | 7.7万円 |
3500万円 | 11.5万円 | 9万円 |
4000万円 | 13.2万円 | 10.3万円 |
4500万円 | 14.9万円 | 11.6万円 |
3,600万円で、月々12万円なら今の家賃から少し上がるだけだからいけそうと思っちゃうよね!
そう思いがちだけど、今の家賃との比較だけで決めるのは危険だよー!
住宅ローンは、賃貸の家賃と同じように考えてはいけません。
賃貸は借りているだけなので、困ったとき自由に引っ越しできますが、
マイホームのローンは借金。
借金だから何らかのトラブル対応が難しい…
35年先に家族や自分がどうなっているのかは全く分かりません。
だからいろんなことを想定して、余裕をもった資金計画を立てておくことが絶対。
- 家の購入後にかかる税金や諸費用
- 将来の子どもの教育費の貯蓄
- 同居する家族の変化による生活費の変化
- 家の修繕・メンテナンス費用の積み立て
- 予期せぬ病気やけがによる医療費
項目 | 費用 | 備考 |
---|---|---|
税金・諸費用 | 50〜100万円 | 固定資産税は毎年10〜20万円 |
教育費 | (国公立)500万円 (私立)7~800万円 | |
外壁修繕 | 130万円 | 20年前後 |
屋根塗装 | 30〜70万円 | 10年前後 |
トイレ修繕 | 40万円 | 20年前後 |
お風呂 | 100万円 | 25年前後 |
キッチン | 130万円 | 25年前後 |
壁紙 | 70万円 | 20年前後 |
いろんな出費に備える必要があるね。自分の場合はいくら家にかけても安心かを把握するにはどうしたらいいかな?
未来を見すえたお金の計画を、自分だけでするのはなかなか難しいですよね。
誰かに相談するにも、詳しい人はなかなか周りにいない…。そんなときは、
ファイナンシャルプランナーに相談してみるのも手ですよ。
FPに相談
FP(ファイナンシャルプランナー)とは、
住宅ローンや保険、教育資金、年金制度など、お金に関する幅広い知識で一生涯の資金計画をサポートしてくれる専門家です。
「自分はいくらの家を建てていいのか」を、未来の備えとともに一緒に考えてくれます。
相談だけなら無料です。お金のことが苦手だという人は情報集め程度に話を聞いてみるのがいいよ!
資金計画を立ててくれたあとで、「こんな保険に入るのはどうですか?」とすすめてきますが、お断りすれば特にお金はかからずに相談できますよ。
補助金を活用しよう
一定の条件に合う家を建てると、お金がもらえる給付金制度があります。
しっかり活用して、お得に家を建てましょう。
補助金嬉しいね!
申請しないともらえないから、必ずチェックして忘れずに申請しよう。
- こどもみらい住宅支援事業(2022年度に新設)
- 地域型住宅グリーン化事業
- グリーン住宅ポイント制度
- ZEH支援事業
- 自治体による補助制度
- 減税制度
こどもみらい住宅支援事業(2022年度に新設)
子育て世帯が対象の補助金だよ!
こどもみらい住宅支援事業は、次のいずれかに該当する方が対象の補助金。
- 子育て世帯(18歳未満の子どもがいる)
- 若者夫婦世帯(どちらか一方が39歳以下)
補助される金額は、家の省エネ性能の高さによって変わります。
条件 | 補助金額 |
---|---|
ZEH Nearly ZEH ZEH Ready ZEH Oriented の基準を満たす住宅 | 100万円 |
高い省エネ性能等を有する住宅 | 80万円 |
省エネ基準に適合する住宅 | 60万円 |
最も補助金額が大きいのは、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の基準を満たす新築住宅。
ZEHの基準については「2-2.ZEH支援住宅」をご参照ください。
参考:国土交通省「こどもみらい住宅支援事業について」
地域型住宅グリーン化事業
エコな住宅が適用される補助金!
地域型住宅グリーン化事業は、次の基準を満たす住宅が対象です。
条件 | 基本的な補助金額 |
---|---|
認定長期優良住宅 | 110万円(上限) ※省エネ強化で+30万円 |
ゼロエネルギー型住宅 | 140万円(上限) |
高度省エネ型住宅 | 70万円(上限) |
加算される額は、それぞれ以下の通り。
項目 | 加算金額 | 条件 |
---|---|---|
地域材加算 | 20万円 | 主要構造材に地域材を用いる場合 |
三世代同居加算 | 30万円 | キッチン、浴室、トイレまたは玄関のいずれか2つ以上を複数設置する場合 |
若者・子育て世帯加算 | 30万円 | 交付申請日時点で建築主が18歳未満の子供と同居している場合 |
参照:一般社団法人 環境共生住宅推進協議会「地域型住宅グリーン化事業【高度省エネ型等支援室】 」
グリーン住宅ポイント制度
こちらも、エコな住宅が適用される補助金!
グリーン住宅ポイント制度は、次の基準を満たす住宅が対象です。
「高い省エネ性能等を有する住宅」の条件 | ポイント |
---|---|
認定長期優良住宅 | 40万円相当のポイント (条件によって、+60万ポイント) |
認定低炭素建築物 | |
性能向上計画認定住宅 | |
ZEH |
「一定の省エネ性能を有する住宅」の条件 | ポイント |
---|---|
日本住宅性能表示基準で定める断熱等性能等級4 | 30万円相当のポイント (条件によって、+30万ポイント) |
一次エネルギー消費量等級4以上の住宅 |
次のいずれかの条件を満たす場合、ポイントが加算されます。
- 東京圏の対象地域からの移住のための住宅
- 多子世帯が取得する住宅
- 三世代同居仕様である住宅
- 災害リスクが高い区域からの移住のための住宅
参照:グリーン住宅ポイント事務局「グリーン住宅ポイント 」「新築住宅の建築・購入 | グリーン住宅ポイント制度 」
ZEH支援事業
ゼロエネルギーハウスの認定を受けている家が対象の補助金!
ZEH支援事業は、次の基準を満たす住宅が対象です。
ZEHには以下2つの段階によって事業が分かれており、いずれの段階の要件を満たしているかによって、補助金額が変わります。
- ZEH支援事業
- 次世代ZEH+実証事業
ZEHの種類 | 内容 | 補助金額 |
---|---|---|
ZEH | 一定以上の断熱性能・省エネ基準比20%以上 ・再生可能エネルギー導入100%以上を満たしている | 60万円 |
Nearly ZEH | 断熱性能・省エネ性能はZEHと同等基準。 太陽光発電によるエネルギー生産率が75%以上。(寒冷地や都市狭小地等に限る) | 60万円 |
ZEH oriented | 断熱性能・省エネ性能はZEHと同等基準。太陽光発電なしでOK。(狭小地等に限る) | 60万円 |
ZEH+ | 断熱性能・省エネ性能はZEHと同等基準を満たし、 さらに一次エネルギー消費量25%以上削減。決められた高性能機器の導入が必要。 | 105万円 |
Nearly ZEH+ | 断熱性能・省エネ性能はZEHと同等基準。 太陽光発電によるエネルギー生産率が75%以上。(寒冷地や都市狭小地等に限る) | 105万円 |
ZEHの種類 | 内容 | 補助金額 |
---|---|---|
次世代ZEH+ | 断熱性能・省エネ性能はZEH+、Nearly ZEHと同等基準を満たし、 さらに一次エネルギー消費量25%以上削減。 以下の高性能機器のいずれかの導入が必要。 蓄電システム燃料電池V2H充電設備(充放電設備)太陽熱利用温水システム) | 105万円 |
- 先進的再エネ熱等導入支援事業と併願すれば、+90万円を受け取れる
参照:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「
ZEH住宅のプランを無料でつくってくれるサービスがあります。
比較検討するときに役立つので、情報集めのために申し込んでおくといいですよ。
自治体による補助制度
自治体によっても補助金が出る場合があるよ
国だけでなく、各自治体でもさまざまな補助金や助成金があります。
どのような助成金や補助金があるかは、各自治体HPで見ることができるので忘れずにチェックしましょう!
減税制度
家を建てると、税金を減らしてくれる減税制度がいろいろあります。
- 住宅ローン減税(住宅ローン控除)
- 登録免許税の税率軽減
- 不動産取得税の軽減
- 固定資産税の軽減(宅地は2021年度で終了)
- 贈与税 住宅取得等資金に係る非課税措置(2023年度まで延長予定)
自分で申請しないと受けられないので、忘れずに申請しよう!
まとめ:自分に合った予算を考えて、家づくり費用を決めよう
この記事では、次の4つのことを解説しました。
- 家づくりは何にいくらかかる?
- みんなの家の総費用はどのくらい?
- あなたが家にかけられるのはいくら?
- お得な補助金制度とは
大切なことは、「自分はいくらお金をかけても、その後の生活が大丈夫なのか」ということ。
家づくりのお金のことは正解が人によって違います。
だからこそ、誰かの言ったことを鵜呑みにするのではなく、しっかり準備して自分の答えを見つけておきたいですね。
自分だけでは考えるのが難しいなら、FPに無料相談してみましょう!